『風の吹く丘』
あの風の吹く丘は遠い記憶の中
とても強い風が吹いていた・・・
風に飛ばされそうになったボクを支えてくれた大きな手
いつから風がやんでしまったのかな
あの暖かい気持ちは遠い記憶の中
陽だまりの中で眠るように膝の上でスヤスヤと・・・
暖かい夢をボクに見させてくれた大きな腕
いつから雲がボクらを覆い引き裂いた?
感謝する事なく
喧嘩する事なく
ただ・・・ただ恨んで
ただ・・・ただ恨んで
悲しい時間だけが流れて行く
ボクの中で存在すら認めていなかった
あの大きな背中
ちがう…
ボクはあの大きな背中のままの記憶でいたいから現実を認めていなかったんだ
なにも変らないのに・・・
あの風の吹く丘は確かにそこにある
あの風の吹く丘は確かにそこにある
ボクたちの運命はなんて残酷でなんて失礼なんだろう・・・
あの大きな背中はもう小さい・・・
気がついた時にはもう遅いね・・・
ボクたちはこの残酷で失礼な運命に導かれて生きて・・・そして死んでいくんだね
あの丘で今でも僕は風に飛ばされそうになりながら大きな手の支えをどこかで待っている・・・
なんて失礼な運命・・・