『家族 -香-』
彼のお父さんが亡くなった。
ここ数日で、と言われていたのでご家族の人達もそれなりの覚悟はあったと思う。
彼は、というと少しその話しはしていたけど
落ち込むとかつらいとか
そうではない。
お見舞いも最初のころは行っていたようだけど
ずっとここ近年は行ってなかった。
会いたくない状態だった。
今回は死ぬ間際に駆けつけて「その時」に間に合った。
彼とお父さんの長い長い戦いが終わるっていう感じかな。
メールには「家族全員で看取ったことはよかった」とあった。
私と彼がメッセで話すようになった頃
お父さんの話しがでた。
彼は誰にも話すことができなかったんだろうな。
話して
泣いていた。
私は彼の話しを聞いて
私も彼と同じくそうだなって強く思ったことは
親だから
血のつながりがあるからというものに
どれだけ苦しめられたことだろうってこと。
私もそうだから。
親の存在は
私の人生の中で親子だから頼るとか
何かあったら助け合うとか
そういうものではないから。
私とは内容は違えどお父さんのことで
生活や進学等がずいぶん変わったものになってしまった。
彼も私も人間不信になったこと。
受けた傷。
でもこれからの彼は新しくなる。
苦しめたものがなくなったんだから。