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真夜中に...想い出ばなしと…だらりんちょ

#003 大雪のクリスマス・イブ

『大雪のクリスマス・イブ』

 

 

1980年のクリスマス・イブは朝から雪が降っていた。

ホワイトクリスマス...恋人達には最高のロケーション

 

 

ちびっ子だったボクには関係のない迷惑な雪の降る日

 

 

その日は終業式だった

数日かけて荷物を持帰っていれば良かったんだけど...

そんな性格じゃないボクの両手には大きな荷物を抱える事となる

 

 

ちびまる子ちゃんと同じ性格ね(笑)

 

 

当然、傘もさせずに30cm以上もある雪の中、半べそをかきながら家路についた

少しして見知らぬ6年生くらいのお姉さんが声をかけてくれたんだ

 

 

 ー 荷物もってあげるから傘に入りなさい。

 

 

あなたは天使か?神様か?

ボクの荷物を持ち傘に入れてくれた救世主

 

嬉しかった

 

 

けれど...そんな幸せな時間は長く続かないってのが世の中。

 

 

 ー 私、家こっちだから...ゴメンね

 

 

曲がり角で別れる事になり、また一人旅が始まった

 

 

寒いよ...雪が目に入るよ...

手袋と長靴は雪に浸食され、もはや機能を失っている...手の感覚も足の感覚も無くなりつつあった

 

 

まるでロシアの凍てつく荒野を歩いている気分になる

深々と降っていたと思えば、突然風が強くなり、時折前が見えなくなる程の吹雪が小さなボクを襲う

 

 

やっとの思いで家に着く頃、俺は大泣きしていた

母はそんなボクを見て大笑いしたのを覚えている

 

 

今思うと...悪魔のママだったな

 

 

夕方、あの悪夢をおやつで忘れかけた時だった!突然電気が消えた

 

 

停電だったんだ

 

 

待てども、待てども電気は復活しない

今夜のクリスマス・パーティーは停電で中止

お風呂もロウソクを立てて入ったんだ

 

 

その日の積雪は記録的なものだった

 

 

1980年のクリスマス・イブは朝から雪が降っていた

ホワイトクリスマス...恋人達には最高のロケーション

 

 

だけど、この量は恋人達にも大迷惑な雪だったに違いない…ざまぁ見ろ!

 

 

1980年 大雪で鉄塔が折れてしまってもサンタクロースはやって来た冬の出来事です。