『大雪のクリスマス・イブ』
1980年のクリスマス・イブは朝から雪が降っていた。
ホワイトクリスマス...恋人達には最高のロケーション
ちびっ子だったボクには関係のない迷惑な雪の降る日
その日は終業式だった
数日かけて荷物を持帰っていれば良かったんだけど...
そんな性格じゃないボクの両手には大きな荷物を抱える事となる
ちびまる子ちゃんと同じ性格ね(笑)
当然、傘もさせずに30cm以上もある雪の中、半べそをかきながら家路についた
少しして見知らぬ6年生くらいのお姉さんが声をかけてくれたんだ
ー 荷物もってあげるから傘に入りなさい。
あなたは天使か?神様か?
ボクの荷物を持ち傘に入れてくれた救世主
嬉しかった
けれど...そんな幸せな時間は長く続かないってのが世の中。
ー 私、家こっちだから...ゴメンね
曲がり角で別れる事になり、また一人旅が始まった
寒いよ...雪が目に入るよ...
手袋と長靴は雪に浸食され、もはや機能を失っている...手の感覚も足の感覚も無くなりつつあった
まるでロシアの凍てつく荒野を歩いている気分になる
深々と降っていたと思えば、突然風が強くなり、時折前が見えなくなる程の吹雪が小さなボクを襲う
やっとの思いで家に着く頃、俺は大泣きしていた
母はそんなボクを見て大笑いしたのを覚えている
今思うと...悪魔のママだったな
夕方、あの悪夢をおやつで忘れかけた時だった!突然電気が消えた
停電だったんだ
待てども、待てども電気は復活しない
今夜のクリスマス・パーティーは停電で中止
お風呂もロウソクを立てて入ったんだ
その日の積雪は記録的なものだった
1980年のクリスマス・イブは朝から雪が降っていた
ホワイトクリスマス...恋人達には最高のロケーション
だけど、この量は恋人達にも大迷惑な雪だったに違いない…ざまぁ見ろ!
1980年 大雪で鉄塔が折れてしまってもサンタクロースはやって来た冬の出来事です。