back stage pass

真夜中に...想い出ばなしと…だらりんちょ

remembrance

#208 殴らせろ!

『殴らせろ!』 ー電話よ! 夏が始まる頃。 その電話は唐突に鳴ったのだった。 ーもしもし電話替わりました。 ーあ、あのシブヤですけど... 誰? ーシブヤ...君?どちらのシブヤ君? ーあ...高校で同じクラスだったシブヤです。 ーあ...あ~!シブヤかぁ!元…

#203 november rain

『november rain』 温かい雨が二人の心を洗い流してくれるんだ キミはボクにこう言ったんだ ねぇ、どんな風に生きて行けば私はあなたが納得する女になれるかな? ボクはキミにこう言ったんだ いつも綺麗にしててとか、大人らしくしろなんて言わないよ。今の…

#198 First Kiss

『First Kiss』 こんな気持ち初めてだよ あなたと離れる事が出来なかった 何の迷いも無くあなたを選んだ 怖いものなんか無かったからボクはあなたを帰さない理由ばかり考えていた 車の中 長い沈黙 見つめ合う二人 あの時あなたは何を考えていた? あの時あな…

#047 Lost Summer -キミを失った夏-

『Lost Summer -キミを失った夏-』 暑い夏の日。 空は曇っていた。 引っ越し直前だった夏休み。 俺は部活に汗を流していた。 3時過ぎだろうか?先生方が慌て出したのを今も覚えている。 え? 信じられないニュースを耳にした 自分の耳を疑ったよ あいつが海…

#026 片想い -15のクリスマス・イブ-

『ラジオとボクの片想い』 中学3年生のクリスマス・イブ その日、ボクは朝から落ち着きがなかった イベントを意識し出した15歳の冬 中学1年生の頃から片想いのヒロミに告白をしようと一大決心をしたのだった なけなしの小遣いでプレゼントを手にしながらボク…

#008 ごめんなさい。

『ごめんなさい。』 太陽はボクを見ていた。 月もボクを見ていた。 小学6年生の夏、ボクはお金を盗んだ。 それはただ遊ぶ金欲しさにやったんだ。 太陽は知っている。 月も知っている。 ボクは毎日盗んだ。 母が管理していたお店の釣り銭を毎日盗んだ。 ずる…

#007 TBC夏祭り ゲソ上げ事件!

『TBC夏まつり ゲソあげ事件』 1985年の8月 お盆も終わり、いよいよ夏休みも佳境になってきた。 夏が終わって行く淋しさの中、俺には楽しみにしていたイベントがあったのだ! それはTBC夏まつり 仙台の夏まつりと言えば『七夕祭り』 ...なんだけど、子供の俺…

#006 うそ?

『…うそ?』 小学5年生が始まって半年を過ぎた頃。 それはとても衝撃的な出会いだったんだ。 ボクは放送委員会に所属していた。 委員は当番制で給食の時間に放送を担当する。 その日、当番放送が終わって教室へ帰る時の事。 隣のクラスの壁に数枚の絵が貼り…

#005 小さな「ICU」

『小さなICU』 給食を食べ終わった火曜日の昼休み。 ボクたちは昨日放送されたプロレスの話で盛り上がっていた。 ー 昨日の藤波強かったなぁ! 増田君がやや興奮気味に話しかけてきた ー でもさぁ、途中で負けるかと思ったよ...あの反則はないよなぁ ー それ…

#004 さよならじいちゃん

『さよなら、じいちゃん』 俺、コドモだったから良く意味がわからなかったんだ。 もうすぐ終業式を向かえる12月21日 突然、教頭先生が教室に入ってきて担任の由美子先生とヒソヒソ話 スグに俺の名前を呼んだ先生の表情は硬かったの覚えているよ。 ー 君、ス…

#003 大雪のクリスマス・イブ

『大雪のクリスマス・イブ』 1980年のクリスマス・イブは朝から雪が降っていた。 ホワイトクリスマス...恋人達には最高のロケーション ちびっ子だったボクには関係のない迷惑な雪の降る日 その日は終業式だった 数日かけて荷物を持帰っていれば良かったんだ…