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真夜中に...想い出ばなしと…だらりんちょ

#067 天秤 -言えないわ-

『天秤 -言えないわ-』

 

 

ーこの前はゴメンなさい...私、傷つけちゃったね...

 ーいいよ。

 

 この前少し大きめのケンカをしてしまったんだ。

 だけど、キミの顔を見れば許せるんだ

 ボクはキミを包み込みたいって思っているんだ

 

 

ー良くないよ。あんなケンカ

 ーいや、俺、うん、大丈夫…慣れてるから

 

 本当はどう思っているの?

 アナタはどうして私を攻めないの?

 どうしてそんなに優しくするの?

 

ー嘘だよ。私ヒドい女だよ

 ーそんな事ないよ。ヒドい女なら一緒に過そうって思ったりしないよ? 

 

 

 何か躊躇っている?

 少しだけ沈黙が続く時間

 お互いにコトバを探していた。

 

 そして...

 

ー 私ね、あなたに詩を書いたんだ。

 ー うん。読ませてくれる?

 

ー うん、いいけど1つお願いがあるの。

 ー なーに?

 

ー 私の詩を読んだらね、あなたの詩でお返事が欲しいの...いい?

 ー うん、わかった。

 

ー じゃぁ、これ...読んで下さい。...あとね...あのね...

 ーうん?

 

ーううん...なんでもない

 

 

 

天秤

 

 

 あなたはいつまで待っているのですか? 

 あなたは私をいつまで待つつもりですか? 

 

 私がこのままあなたの所へ行けるかどうかまだ分からないのに 

 あなたはそれでも待つつもりですか? 

 

 私の一言 

 私の一言で全てが決まるのですか? 

 

 私の一言 

 私の一言で全てが決まるのですね 

 

 でも私はあなたという大切な人を失いたくないばかり 

 好きとも嫌いとも言わずかわしてばかりです 

 

 そんな私をあなたは知っているのでしょうか? 

 こんなわがままでずるい私をあなたは知っているのでしょうか? 

 

 あなたはいつまでも待っているのですか? 

 あなたは私をいつまでも待つつもりですか? 

 

 こんなにわがままでずるい私より 

 もっといい娘を見つけて幸せになってほしい 

 

 でもこれはあなたの嫌いな言葉 

 

 言わない様にしたいけど 

 心の中のテープレコーダー 

 いつもリピートしています 

 

 これが私の悩みでしょうか? 

 これがあなたの怒りでしょうか? 

 

 右と左 同じ重さではないはずなのに 

 天秤がそのままです。

 

 

 

数日後、年上の彼氏が出来たらしいとナオヤから教えられた。

返事なんて書ける気分じゃないよ。

 

暑苦しい夏が始まりそうな予感だった。