back stage pass

真夜中に...想い出ばなしと…だらりんちょ

ポケット貸して

#203 november rain

『november rain』 温かい雨が二人の心を洗い流してくれるんだ キミはボクにこう言ったんだ ねぇ、どんな風に生きて行けば私はあなたが納得する女になれるかな? ボクはキミにこう言ったんだ いつも綺麗にしててとか、大人らしくしろなんて言わないよ。今の…

#202 職務質問

『職務質問』 埠頭の近く 遅い時間 夜の駐車場 今夜は晴れ渡っている 余計な灯がないからシートを倒せば窓から星空が見えるよ 少しだけ触れた手と手 少しだけロマンチックな雰囲気 キミは夜空を見て、ボクはその横顔を見ていた。 何気ない会話の中 助手席か…

#199 夏の日

『夏の日』 集合したのはどこだったか… ジュンも東京から帰ってくるし、シホとも連絡取れたから 久しぶりにみんなで集まって遊びに行こうとなった。 その日はナオヤの車と俺の車で移動してた。 ナオヤの車には淳とシホとイシダ 俺の車にはタカとナオコ 街外…

#197 五月雨

『五月雨』 ーねぇ… ナオヤくん東京から帰ってくるって本当? ーうん。 ーなんで? ーうん。 ー知らないの?言えないの? ーアイツのプライドもあるから俺からは言わない方がいい。アイツから話すまで普通に接してあげて ーうん。わかった。じゃぁ理由は聞か…

#196 アスレチック

『アスレチック』 国立公園に行ってからわずか3日後 一緒に出かけたいから、彼女は休みなら迎えにこい!という事になった。 今回はちゃんとデニムとロンT という至って普通の服装でお迎え(笑) 買い物でも行きたいのかな?と思ってたらそうじゃなかった。 …

#195 国立公園

『国立公園』 ーねぇ、公園に連れて行ってよ!大きな公園ね この前、俺は泥酔してしまい…大きな迷惑をかけてしまった。 そのお詫びにというか…”お詫びに今度どこか連れて行ってね”の約束を実行することにしたんだ。 初めて訪れた国立公園 手入れが行き届いた…

#191 泥酔

『泥酔』 助けて… 世の中に出て初めての洗礼 新入社員歓迎会という名のイジメ 高校を卒業してしまえば未成年でも飲酒は黙認されるような時代 昔はこんな飲み会が当たり前だった。 殆ど酒が飲めなかった俺はスグに酔いが回り泥酔した。 酔っても酔っても酒を…

#183 TMF

『TMF』 ー卒業記念にジュンがバンドメンバーミックスして大会に出ようって言うからね。良かったら見に来てよ ーうん。行けたら行くね ーおう。 高校の卒業式を目前にしてた頃、ジュンから連絡が入った。 東京に行く前にもう一度バンド組んで10代限定のコン…

#149 あなたの隣

『あなたの隣』 ほんの数週間前 私、あなたに言ったでしょ 「ライブ行ってもいいかな?」って あの時あなたは小さく頷いただけだった 本当は来てほしくなかった? もう、あなたは私の顔を見るのもイヤになってる? 何しに来たんだよって言われないかな? 何…

#144 帰りのバス

『帰りのバス』 私の先輩とその彼 あなたの後輩とその彼女 2人の巡り合わせはまた私たちを繋ぐのね 違う学校だけど 私たちは同じ音楽部 技術的なアドバイスをして欲しいってお願いされたんでしょ だから来てくれたんだでしょ ありがとう たわいもない一日が…

#143 4日前

『4日前』 それは夏休みに入る直前の事だった。 後輩の祐介が話し掛けてきた。 ー先輩!あの、俺の彼女がM高校で吹奏楽やってるんですけど… ーは?M高校の吹奏楽部?マジ? 驚いた! M高校の吹奏楽部にはタカがいる ーで、彼女、部長なんですけど、演奏を教…

#102 ドライフラワー

『ドライフラワー』 ベティが悪戯をするの。 まるであなたのようだわ ホワイト・クリスマスじゃなかったけれど、この街にもクリスマスはやってきて あなたは私に花束をくれたのよ。 待ち合わせの街 後ろ手に何か隠しているのは気付いていたけれど 真っ直ぐに…

#099 ガーベラ日記

『ガーベラ日記』 今はもう違うけれど 私の事を好きと言ってくれる人から花束をもらいました。 12月24日にもらいました。 この花束はピンクのガーベラが5本 かすみ草と名も知らぬ緑色の葉。 アレンジに薄いピンク色のシートとレースのリボンがかけてありまし…

#093 悲しい予感、さよならの予感

『悲しい予感、さよならの予感』 悲しい予感 さよならの予感 何を考えても ただ謝ることばかり 何を考えても 自分を責めることばかり 私の心の中の悲しみの分だけ 私の心の中のさよならの辛さの分だけ 涙が出たわ 涙が後から後から出てきて止まらなかったわ …

#092 あきらかに別れの言葉

『あきらかに別れの言葉』 あなたの今日の待ち合わせ場所 それはあきらかに別れの言葉 あなたの今日の笑い方 それはあきらかに別れの言葉 あなたの今日の話題の全て それはあきらかに別れの言葉 あなたの今日の視線の行方 それはあきらかに別れの言葉 あなた…

#091 屋上

『屋上。』 ー話があるんだ 昨日の夜 電話の切り際に伝えたコトバ ボクは一体何を覚悟した? ーうん、わかった。 彼女は力なく小さな声で答える キミはボクの重苦しい雰囲気を感じ取ってしまったかい? 寒い1月の夕方 その日 ボクは思い詰めた表情をしていた…

#090 You

『You』 あなたの気持ちを知ってから いく日もいく日も過ぎました。 私、あなたの所へ行けないかもしれない ねぇ、私がもしあなたの所へ行けなかったらどうするの? ずっと待たせているの... あなたは暗い霧の中。 ひとりで辛い時や悲しい時も暗い霧の中 私…

#089 冒険

『冒険。』 クリスマスが終り、もう今年もあと数日で終わるかというある日の夕方。 ーなぁ、よかったら2人で年越しをしない? 17才の彼にとって、それはかなり大きな冒険への誘いだった。 ーうん、いいよ。 随分あっさりとOKを出した15歳の彼女にとっても、…

#088 Gerbera

『Gerbera』 ーねぇ、クリスマスって何しているの?部活? ーえっと…バイトだね ー何時まで? ーえっと…18:00までだね ーそっかぁ... ーどうしたの? ーうん、バイト終わってから会える? ーもちろんいいよ。ドコか遊びに行く? ー家に行ってもいい? ーいい…

#087 10円玉の落書き

『10円玉の落書き』 ーねぇ、屋上に行こうよ。 その屈託のない笑顔は今日もボクだけの為に輝いていた。 ーいいけど...何しに行くの? ボクは知っている ーえ?何しにって...お話しにだよ ーだったらSS行った方が景色よくない? ボクはとっくに気が付いている…

#086 ブルゾンの悲劇

『ブルゾンの悲劇!!』 それは12月に入って最初の日曜日 ー 今から遊びに行ってもいい? ー いいよ。 ボクが大好きな彼女は髪が長くて、感受性が強いステキな娘。 ロマンチストでボクによく詩を書いてくれてた。 思わせぶりな詩はボクをドキドキさせて 突き…

#085 ポケットかして

『ポケット貸して』 ーねぇ、聞こえないよ? ーちょっ...チョット待って...踏切の音が... 時刻は午後9時過ぎ 家の電話で長電話をすると親に文句を言われるから 大量の10円玉を近所の公衆電話に積み上げてたんだ。 ーゴメン、おまたせ。 ーうん。ねぇ、明日一…

#082 ミサンガ

『ミサンガ』 ーね、明日の朝なんだけど、電車いつもより1本早く乗ってくれない? ー別にいいけど、どうして? ーちょっと会いたいんだよんね ーわかった。7時15分の電車に乗るよ。 ー私、階段の所で待ってるから...じゃ、ちょっとまだ用事あるから明日ね …

#080 Angel

『Angel』 ーねぇ、お茶しに行こう。 駅から少し歩いた雑居ビル 狭いエレベーター 何となく毎回来ている喫茶店に入るボクたち 初めて来た時からやる気が感じられない店員さんが迎えてくれる。 ーいらっしゃいませ~ どうぞ...何にします?~ ーじゃぁ、コー…

#078 待ち合わせはいつもの場所で

『待ち合わせはいつもの場所で』 その日、改札を出ると彼女はもう待っていた。 ーごめん、待たせたかな? ーううん、大丈夫。ちょっとだけだよ。 ーえっと...ドコに行こうか? ーねぇ、少しお茶しない? 彼女は歩き出してスグに言った。 ーいいよ。 駅から少…

#077 あなたの事が好きだけど。

『あなたの事が好きだけど。』 スタジオの帰り道。 みんなで歩いてドコかの店に向かっている道すがら ボクと彼女は少しみんなから遅れて歩いてた。 ナオヤとシホ、それからナオは別の話に夢中になっていた。 ーあのさ…これ、オリジナル用のとずっと前言って…

#074 ぎゅっ

『ぎゅっ』 ーまた時間が合いそうなら一緒に帰ろう? ーそうだね。あ、一緒にそっちのホーム行こうか? ーうん。 2番線ホームの北側の端っこ キミが乗る電車のホームに向かう地下道の入口。 夕方の帰宅ラッシュより少し前...この時間は人通りが少ない。 ーあ…

#072 公園。

『公園。』 原付に乗込んで走る事15分 キミが待つ病院の入口 ーごめんね...何かワガママ言っちゃったよね? ーワガママ?言ってないよ ーでも...長電話しちゃって...それで病院まで来てもらっちゃって...ゴメンね ーいや、逢いたいって言ったのは俺だから気…

#071 キミは知っている

『キミは知っている』 夏の忙しさも一段落してきた。 部活の合宿もイベント出演も何とかこなして やっと夏休みらしい夏休みの午後のこと。 ーもしもし? ーあ、私...今電話してても大丈夫? ーうん大丈夫だよ。周り騒がしいけど何かあったの? ーううん...用…

#067 天秤 -言えないわ-

『天秤 -言えないわ-』 ーこの前はゴメンなさい...私、傷つけちゃったね... ーいいよ。 この前少し大きめのケンカをしてしまったんだ。 だけど、キミの顔を見れば許せるんだ ボクはキミを包み込みたいって思っているんだ ー良くないよ。あんなケンカ ーいや…