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真夜中に...想い出ばなしと…だらりんちょ

#197 五月雨

『五月雨』

 

 

 

ーねぇ… ナオヤくん東京から帰ってくるって本当?

 ーうん。

 

ーなんで?

 ーうん。

 

ー知らないの?言えないの?

 ーアイツのプライドもあるから俺からは言わない方がいい。アイツから話すまで普通に接してあげて

 

ーうん。わかった。じゃぁ理由は聞かないけど、今度みんなで集まってうちでお帰り会しよう。

 ー優しさは変わらないな

 

 

その日は朝から雨が降ったり止んだりしていた。

誰も何も確信をつかず、ただひたすらバカ話で盛り上がった

 

それが一番だとみんな知っている

きっとこの先、何年経ってもこうしているのが一番だと…みんな知っている

 

 

ーねぇ、せっかくだから記念に写真撮ろうよ!

タカが思いついたように話す

 

ーなんの記念だよ(笑)

ナオヤが笑いながら言う。

 

ーなんだっていいじゃん!外で撮ろう!

ナオコが率先して外に向かう

 

ー雨だし…何より夜だぜ?

重い腰を上げながら俺がみんなに問いかける

 

ーいいの!みんな行こう!

優しい笑顔の彼女が誘う5月の夜雨は優しい雨だった。