『半年分のアイシテル -香-』
彼が私の街に着いたのは15:30
手際が悪くてお迎えに行ったはいいけど少し遅刻。
車を駐車場に停め彼を探す私。
走ったわけではないのに息切れがする。
遅刻するから待合室で待ってて とメールしたから足早に向かう。
視線を感じた先に
大好きな彼がいた。
タバコを吸うため外にいたから。
いつもはカメラの向こう側なのに
今日はやっと手の届くところに彼が来た。
お疲れさま。
半年ぶりだね。
長旅で相当疲れているはずなのに
彼は私の大好きな笑顔で
冷たい私の手を握って離さなかった。
彼は半年分の「アイシテル」を言い続けた。
私の唇から彼の唇に運んだものは大好きなチョコレート。