『TBC夏まつり ゲソあげ事件』
1985年の8月
お盆も終わり、いよいよ夏休みも佳境になってきた。
夏が終わって行く淋しさの中、俺には楽しみにしていたイベントがあったのだ!
それはTBC夏まつり
仙台の夏まつりと言えば『七夕祭り』
...なんだけど、子供の俺にはこの『七夕祭り』のドコがお祭りなの?って感じだったんだよね
なんつーか...吹き流しの中ただ歩くだけじゃん...ってね(笑)
そんな中でのTBC夏まつりは派手だったな。
宮城県スポーツセンターと仙台二高の間に広い公園?野っ原...今の国際センター辺りで開催してたよね
当時は3日間開催してて初日はアイドルが大勢来て、2日目は演歌歌手が大勢きて、3日目はメインゲストがやってくるっていうスケジュールだったはず。
確か毎晩花火もあがっていたはずでだったよねぇ...毎年家族や親戚...10人くらいで遊びに行ってたな。
その日は夕方に叔母の家に集合。
そこから市バスに乗って会場へと向かったんだ
東二番町と広瀬通りの交差点に差し掛かった時の事...ゴメンね...仙台知らない人には??状態だけど
あれ?横断歩道渡っている中に由美ちゃんいるな
あ、由美ちゃん=一番上の姉です。
由美ちゃんは既に働いていて...仕事終りで会場合流という事にしてました。
お祭りでメッチャ人がいるのに見つけるなんてさすが姉弟(笑)
いやしかし、上には上がいたのです。
叔母です。
同じように彼女を見つけたと思ったら、バスの窓を全開にして身を乗り出す...
暴走族じゃないんだから...スケ番かっ!...いや、年代的に言えばズベ公か(爆)
お構いなしの叔母です。
身を乗り出し大きく手を振って
”ゆ~~~!ほらぁ~~!走って~~~”
まるで北の国からの黒板令子@いしだあゆみも凌駕する程大きく手を振っている...
”ゆ~~~!ほらぁ~~!走って~~~間に合うからぁぁぁぁぁぁ~~~”
仙台の中心である意味、愛を叫ぶ叔母。
もちろんバスの中では一同ドン引き(笑)
バスの運転手さんも叔母の狂気を感じたのか...由美ちゃんが乗ってくるまで待ってくれました。
渋々バスに乗ってきた由美ちゃんの顔は真っ赤でした。(≧∇≦)ぶぁっはっはっ!!
そして友達も巻き添えを喰らってたよ。
そんなこんなでお祭り会場に到着。
俺は入口で母親から1000円もらって、自由にさせてもらった。
何か、大人になった気分だったな。
でもね、たくさんの出店の中で子供が捕まる場所と言えば...やっぱり、おもちゃ屋だよね
ふむふむ...あれはどんな風に遊ぶのだ?
ふむふむ...これは何のキャラクターなんだ?
おお...このゲームは興味深い!
はてさて...いくらするのだろうか?
1500円か...買えないな...
かーちゃんを探して呼ぶ
ー ねぇ、これ欲しいけど1500円なんだよね...モジモジ...
ー どれ?これ?...古いし中古だし動くかわからないからダメ...キッパリ...
カッチーーン(オレ側)
ー はぁ?買ってみないとわかんねーじゃん...戦闘態勢ON
ー 買って壊れてたら文句言うの誰さ?...返り討ちシステム作動!
ー 俺、文句なんか言った事ねーし...クッ...クソ!正論だぜ
ー とにかく、欲しいものがあるならもう少し色々見て見なさい。...私が正解です!
ー いや、これがいいって言ってんじゃん...
二人熱くなる
ー お母さん、ショー見たいから後にしよう。
ー はぁ?演歌なんかババァが見るヤツだろ!クソババァ!
かっちーーーん(ママ側)
ゲソ
ゲソ
ゲソ
ゲソあげじゃーーーーーー
ゲソあげ→お腹をヒザで打上げる喧嘩技。
うぁ....家族・親戚一同...ドン引き
テメーなんか知るか!
マジ切れしたかーちゃん
プイッと振り返り演歌の会場へ。
12才男子、祭り会場で放置プレイ開始。
12才男子、まぁまぁ自尊心アリ&反抗期突入中のため、放置プレイ受理。
とはいえ、何かを買う事は躊躇っていた。
会場を一人で彷徨う...30分、1時間と時間が流れる...お腹空いてきたな...
もうすぐ花火の時間か...
ー すみませーん…カレーを一つ下さい。
あいよー600円ねー
俺はヒトリ...屋台のカレーを食って花火を見ていた。
このまま一人で帰るのかなぁ...カレー食っちゃったからバス代足りないかな...歩いて帰る事になるのかなぁ...
はぁ...カレー...辛口頼むんじゃなかったな...
帰るよ。
由美ちゃんが迎えに来てくれた。
俺は無事にバスに乗って帰路についたのだった。
遠ざかる祭り会場の明り...TBC夏祭り終りと共に夏の終りを感じていたのだった...
1985年 真夏の夜の夢...ゴメンね、かーちゃん。