『5時間の待ちぼうけ』
じゃぁ、駅のいつもの場所で待っているね。
そう言い残して電話を切ったのが2日前
模擬テストは12時過ぎに終わるからって言ってたね
だからその時間に約束の場所で待っていたんだ。
会えたらね、報告する事があるんだ。
どんな言葉で話をしようか…随分と考えていた。
夢に向かって努力している大切な人に
夢が潰えた話をして良いのだろうか?
どうしようもないココロをキミは受け止めてくれるのだろうか?
優しい気持ちに包まれたい
そんな淡い期待もあったけど…
結局、キミは来なかった。
多分、これが、きっと、人生のポイントで
多分、これが、きっと、これまでで最大の挫折
心の半分でいいから俺にくれないか?
温めて欲しい夜を越えたばかりで寒くて凍えそうなんだ
めぐる想いも伝えられないまま5時間の待ちぼうけ
遠くかげる空が黄昏を連れてくる
逢いたいキミだけがいない
何も出来ない、何も言えない
情けない帰り道だった。