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真夜中に...想い出ばなしと…だらりんちょ

#199 夏の日

『夏の日』

 

 

集合したのはどこだったか…

ジュンも東京から帰ってくるし、シホとも連絡取れたから

久しぶりにみんなで集まって遊びに行こうとなった。

 

その日はナオヤの車と俺の車で移動してた。

ナオヤの車には淳とシホとイシダ

俺の車にはタカとナオコ

 

街外れ…と、いうか山奥までゴー

この街じゃ車の免許を取ったら定番のドライブコース

 

お参りして、名物の油揚げ食べて

近くのウイスキー工場に行って…

 

ここまではプラン通りだったけど、この後はノープラン

で、ここでタカちゃん「アスレチック行こう!」

 

もう、驚かないよ。

 

なんかわからないけどハマってるの?

そして何故かみんな行こう!って盛り上がってる…

 

あれ?みんなインドアじゃないの?

 

途中で昼飯食って、県民の森という県立の公園へ

最初はワイワイと遊びながら楽しんでたけど、急にみんなスイッチが入ったのかな?

割と真剣にこなしてたよ。

 

じゃぁ次はさ、暗くなる前に移動して港行くか

どうしてみんなは公園が好きなのだろうか?

お金かからないからかな?

 

 

 ー今まで俺の車に乗ってたから次はナオヤ君の車に乗るね

ナオコがそう言うとタカを連れて行った。

 

で、ぎゅうぎゅうにナオヤの車に乗り込む…定員オーバーじゃね?

俺の車には誰もいない

 

ま、しゃーないか。

出発しようとギアをドライブに入れた時、ナオヤの車からタカが降りてきて走ってくる。

 

ーあれ?忘れ物?

 

助手席のパワーウインドウを下ろして話しかけたら

彼女はドアを開けてそのまま隣に座った。

 

ーさすがに1人じゃ悲しいでしょ?それに向こうは定員オーバーだしw

 

優しい笑顔で話しかける

 

ーでも、ずっと俺の車じゃ飽きるんじゃない?久しぶりに会うヤツらもいるしさ

 ーいいの。飽きない。行こっ

 

俺はナオヤに目で合図をしてアクセルを踏んだんだ

 

 

俺は半月前に就職してた会社を辞めていた。

理由は色々あったけど、上手く説明出来ないでいた

 

 ーねぇ、仕事…辛かった?

ー辛かったっていうか、自分で決めた事に納得出来てなかったんだ

 

 ーそっか…でも、私は応援するからね…本当は今も辛いの?

ーうん…少しね…でもありがとう。それだけで嬉しいよ

 

交差点でナオヤの車が隣に並ぶ

騒がしいアイツらはこっちを見ながら何やら盛り上がっている様子

 

 ーね、笑ってあっち見ようよ...みんなに辛い気持ち見られたくないでしょ?

ーえ?あ、うん

 

 ーYouの本当の心の中は私にだけ見せてていいんだよ

 

嬉しかったよ。

俺はナオヤの車に向かってニヤリと笑って、信号が変わった瞬間にアクセルを踏み込んだ。

 

 

港に着いた頃、陽が落ちかけていた。

 

ーねぇ、段差利用して写真撮ろうよ

シホが言う

 

 ー何かジャケ写みたいだね

みんな笑いながら横向きになった所を撮った

 

画質も明るさも足りない写真だけど、良い写真だったよ

アオハルってやつだね