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真夜中に...想い出ばなしと…だらりんちょ

#191 泥酔

『泥酔』

 

 

助けて…

 

世の中に出て初めての洗礼

新入社員歓迎会という名のイジメ

 

高校を卒業してしまえば未成年でも飲酒は黙認されるような時代

昔はこんな飲み会が当たり前だった。

 

殆ど酒が飲めなかった俺はスグに酔いが回り泥酔した。

酔っても酔っても酒を強要されて記憶は殆ど残っていない。

 

で、

 

電話をしたらしい…

家にではなく、タカの家に

 

どこかのビルの片隅にあった公衆電話。

壁に寄りかかり何とか意識を保とうとしていた。

 

と、思う。

 

知らないおじさんに何度か”大丈夫か”と声をかけられた。

 

と、思う。

 

 

しばらくして酔い潰れた俺を探しに彼女は来てくれた。

俺を見つけて、俺の家に電話をかけて迎えに来るよう伝えてくれた。

彼女は最後まで付き合ってくれた。

 

ら、しい

 

そして俺は何とか家に帰った。

 

ら、しい

 

 

 

翌日、電話をした。

 

 ー昨夜は本当に申し訳なかった...ごめんなさい。

ー平気?

 

 ー少しダルいけど、大丈夫。

ーねぇ、飲めないんだから無理しちゃダメだよ…私がいなかったら警察にお世話になってたかもしれないんだよ!とはいえ、無理矢理飲まされたんでしょ…ひどい先輩たちだね

 

 ーうん…断れない俺も悪い…反省してる

ーじゃ、お詫びに今度ドコか連れてってね

 

 ーえ?うん…わかった。

 

 

何というか…変わらない優しさに心が震えた。