『帰りのバス』
私の先輩とその彼
あなたの後輩とその彼女
2人の巡り合わせはまた私たちを繋ぐのね
違う学校だけど
私たちは同じ音楽部
技術的なアドバイスをして欲しいってお願いされたんでしょ
だから来てくれたんだでしょ
ありがとう
たわいもない一日が過ぎて帰りのバスの中
あなたは1人、前の方へ座る
みんながいた時は普通に接してくれていたのに
急に突き放すのはどうして?
そんなに冷たくしてほしくないの
「一緒に座ろう」
私、またワガママ言ってるのはわかっているの
あなたは黙って隣に座り直す
一緒に座ろうって言ったのは私だけど、交わす言葉が見つからない
風に靡く少しだけ長い髪のあなたを横目であなたを見ている
ねぇ、あなたの雰囲気が少し違うって感じるのは私だけ?
ねぇ、あなたは少し前に進んだのかな?
もうすぐ駅に着く頃にやっと交わした言葉
「来月のライブ行ってもいいかな?」
あなたは小さく頷くだけで”じゃ”って…
ねぇ、何かあった?
あなたに何が起きているの?
前に進めていないのは私の方なのかな