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真夜中に...想い出ばなしと…だらりんちょ

#157 チケット送る!

『チケット送る』

 

 

10月が始まった。

高校最後の県大会が近付いている

だから俺は練習、練習で忙しく

マミはマミで受験勉強で多忙な毎日を過ごしていた。

 

逢う事はもちろん、電話で話をする事さえ難しくなり始めてたんだ。

自分自身の忙しさと逢えないもどかしさの毎日

 

ミスコントロールしそうな時に電話のベルが鳴った。

 

 

 

ーあ、マミです…ごめんね電話出来なくて

 ーううん、勉強や模擬テストで忙しいんだろうから、仕方ない。大丈夫

 

ーうん、それに定期演奏会の練習もあって...

 ーうん、俺も最後の県大会があるから忙しくしてたよ

 

ーそっか…そうだよね。あの、前に話た定期演奏会これそうかな?

 ーうん、もちろん絶対に行くってもう予定入れてあるよ。マミが歌う姿を見逃す訳には行かないよw

 

ーはぅ…あ、ありがとう。じゃぁ、チケット...どうしようか?

 ーお互いに忙しいからな...郵送でもいいよ。

 

ーうん、じゃぁ、そうしようかな...

 ー封筒にペロって入れて送ってくれればいいよ。

 

 

短い沈黙

ほんの数秒の間、お互いに贈りあいたい言葉をは「逢いたい」

だけど、その一言が言えないでいた。

 

短い沈黙

受話器越しにマミの呼吸を感じる

 

 

ーねぇ、タカシくん…

 ーうん?なーに?

 

ータカシくんの声聞いちゃうと逢いたくなっちゃうよ。

 ーそっか...でもねマミ...その気持ちは俺も一緒だよ。

 

やっと言えた「逢いたい」

 

ーねぇ、やっぱり逢いたいからチケット手渡しでもいい?

 ーいいけど…

 

ー今度の土曜日か日曜日って忙しよね…実は学園祭があるんだけど…

 ーうん、知ってたw じゃぁ、日曜日は午前中で練習終わるからそのまま寄っていいかな?

 

ー本当?来てくれるの?嬉しい…そうだ!私ね、円形校舎の3階にいるの。来たら一緒に見てまわってくれる?

 ー俺、制服だけどいいか?

 

ーもちろん。

 ーじゃぁ、日曜日の午後に行くから、その時にチケットもらうね。